「SNUG Journal」 へようこそ!
「対話の場づくり屋 SNUG」にまつわる情報や活動内容、対話の場づくりに関するトピックを毎週金曜日にお届けします。ライターはSNUG代表の長谷川友子です。
ゴールデンウィークも終わりましたね。札幌は大通公園のライラックが綺麗です。
さて、今回は第25号。今回は新しくSNUGが参画するプロジェクトについて、そして私のヘアカット事情(!?)についてお届け。先週うっかり忘れてしまったおすすめコンテンツコーナーも復活です。
今週もぜひ最後までお読みくださいね!
札幌市男女共同参画センターの「ジェンダーベースドプラットフォーム構築事業」がスタート!長谷川友子はコアメンバーとして活動します。
札幌市男女共同参画センターが取り組む「ジェンダーベースドプラットフォーム構築事業」にSNUG長谷川友子はコアメンバーとして参画しています。先日第1回コアメンバーミーティングが行われました。
この事業は、2023 年2月にシャネル財団とみらいRITA財団がパートナーシップを結んだ「すべてののが尊重されるジェンダー平等に向けて」というビジョンの助成金プログラム「YUIみらいプロジェクト」のもとで行われています。
北海道におけるジェンダーギャップの大きさや、そこから生まれる諸課題について、様々な関係者が協働するための土台(プラットフォーム)をつくることで、包括的な課題解決や学びの場の創出、持続可能な課題解決機関づくりを目指す約2年間のプロジェクト。
さて、このプロジェクトは「コレクティブ・インパクト」という手法を用いて実施されます。先日のキックオフミーティングでも、コレクティブインパクトについて学び合うところからスタート。
その概要を、ここでも書いておきます。
「コレクティブ・インパクト」とは2011年にジョン・カニアとマーク・クラマーがスタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビューに寄稿した論文がきっかけとなり広まった手法です(※1)
当時の定義は以下のようなものでした。
「異なるセクターから集まった重要なプレーヤーたちのグループが、特定の社会課題のために、共通のアジェンダ(議題)に対して行うコミットメント(参加)」
(カッコ内は長谷川仮訳、※2)
この定義を私なりに言い換えると、特定の社会課題について特定の人だけで取り組むのではなく、さまざまな人たちで共通の議題を共有し取り組みましょうという手法のこと。
しかし、この言葉の定義は2022年に以下のように捉え直されたのです。
コレクティブ・インパクトとは、集団やシステムレベルの変化を達成するために、ともに学び、連携して行動することによってエクイティの向上を目指す、コミュニティの人々とさまざまな組織によるネットワークである。(※2)
…!!!「さまざまな人が共通の議題を共有し社会課題に取り組む」という定義からかなり深まりました。ただ異なる人々が集まり協働するだけでは不十分というふうに解釈することができます。
コレクティブ・インパクトは「構造的な変化」の達成を目指すこと、「学ぶこと」「連携すること」で「エクイティ(≒公正性)の向上を目指す」と定義されたのです。
…ということで、「ジェンダーベースドプラットフォーム構築事業」に参画するSNUGも、エクイティの実現に最大限貢献できるように学び続けなくては。そんなふうに思う今日です。
札幌市男女共同参画センターの最近の取り組みなどは以下のハフポストの記事をご覧ください。
長谷川友子、髪を大胆カット!
「いや、マジでどうでもいいわ」という声が聞こえてきそうです。しかしちょっと思うところがあるのでここに書きます。
先ほどの写真にもちらっと写っていましたが、髪を切りました。
「だからなんだ!」と言わずにちょっと聞いてもらえればと…。
今まで私は美容院で髪を切る際は、美容師のS氏に、「仕事する上で舐めらないように、かといって固い印象になりすぎないようにお願いします」とお願いしていました。
女性で、比較的若い、個人事業(そしてちょっと多動)の私は、自分のヘアスタイルを「わきまえて」いました。少しでも舐められないように。女だからってバカにされないように。
今回の髪型は私がずっとしたかったヘアスタイル。自分の好きなスタイルになってから、自分がいかに(自分なりの解釈であるにせよ)髪型の社会的規範に染まることで安心していたか、思い知りました。
ちなみに、視力がかなり低下してきたので今後メガネスタイルが増えるかもです。
「自分の見られ方」を「社会的な自分の立ち位置」と結びつけ、執拗に気にしている私がいるのも事実。でも…。でも、理由は自分でもよくわからないのですが、「今だ!」と思って、変えてみました。
みなさんは自分のヘアスタイル、ファッションについてどんなふうに考えますか。そこに自身のどんなアイデンティティや規範がありますか。
自由なファッション、スタイルを誰もが実現できる社会が一番ですよね。
【新コーナー】ゆうこのおすすめコーナー
このコーナーでは、私長谷川友子がおすすめのコンテンツを紹介します。
「読んで知る」
『人権ってなんだろう?』(一財)アジア・太平洋人権情報センター編,解放出版社
1948年に国連でつくられた「世界人権宣言」をわかりやすく、たのしく読み解く本。人権の基礎をキュートなキャラクター「あおさん」「そら」猫の「リボン」、「あんあん」や「るんるん」とともに学ぶことができます。イラストはippo.さん。
「世界人権宣言」をとおして普遍的な人権を学ぶ本ですが、「インターセクショナリティ」「ヘイトスピーチ」など現在も重要かつ深刻課題まで網羅的に学ぶことができます。
国連との協議資格を取得しているなど「人権といえば!」のNGO「(一財)アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)」ならではの知見が詰まった本はこれからを生きる上での必読書です。
人権については(一財)アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)さんのWebサイトでも学ぶことができますよ。
「聴いて学ぶ」
「 kemioの言わせて言うだけEverything #9 植野有砂さんとLAでトークしちゃいました!」
私世代を代表する、とどまることを知らないトークスタイルで人気のインフルエンサー「kemio」。アメリカ在住のkemioが言いたいことを発信しているポッドキャストで、最近はレイシズムや階級、自身のアイデンティティについて語る回も多々。
今回はアカデミー賞で起きたレイシズムについての話題などが話題の回ですが、kemioの「僕の中で、考えないことが特権だと思うんです」という言葉から、なんだかkemioと同じ時代を生きていることを実感できます。
…kemioを知らないよっていう世代も、ぜひ!!
結び
さて、今回の「SNUG Journal」はいかがでしたか。
ゴールデン・ウィークは職業柄あまり関係ないと思っていたもの、GWが明けた社会の忙しなさと少しの安心感?なんかもちょっと感じるものだなあと感じます。
今日、大通公園を通りかかった際に撮ったライラックの写真でこのブログを終わりにします。ではまた来週この「SNUG Journal」で!
2024年5月10日
対話の場づくり屋 SNUG
代表 長谷川友子
参考
(※)
スタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビュー・ジャパン
コレクティブ・インパクトの北極星はエクイティの実現である | スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版
https://ssir-j.org/centering_equity_in_collective_impact/ (最終閲覧 2024年5月10日)
(※2)(※3)同上