「SNUG Journal」 へようこそ!
「 対話の場づくり屋 SNUG」にまつわる情報や活動内容、対話の場づくりに関するトピックを毎週金曜日にお届けします。ライターはSNUG代表の 長谷川友子です。
先週、SNUGのインスタグラム、Facebookのストーリーズで発行が遅くなると連絡しましたが、予定よりも遅くなってしまいましてSNUG Journalは二週間ぶりのお届けとなります。楽しみに読んでくださっている方、お待たせしました!
気がつけば、5月最後の日。そろそろ夏も始まる季節かと思いきや、肌寒い日が続く札幌です。
さて今回は27号。今回はSNUGの近況と、SNUGが賛同しているキャンペーン、そしてこのジャーナルが発行されない間に何をしていたかについてお届けします。ぜひ最後までお読みください!
最近のSNUGの活動は…?
最近は、今年度後半に始まるであろう事業の準備をしていました。まだ公開しているものは少ないのですが、ミーティングなどやりとりをしながら内容を詰めたり、書類を作成したり。また業務連携している会社さんでのワークショップ事業なども継続中です。
(実は)対話の場づくり屋 SNUGは「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」の賛同団体です!
2021年度から対話の場づくり屋 SNUGは「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」について賛同しています。キャンペーンの期間は、2019年から2029年までを予定しているそうです。
キャンペーンの説明がこちら。
日本社会において、「子どもの権利」の概念が浸透し、国、自治体、家庭などのあらゆるレベルにおいて、子どもの最善の利益が確保されることができるような社会状況をつくることを目的として、ネットワーク構築、政策提言、啓発等の活動に取り組みます*1。
国連で子どもの権利条約が採択されたのが1989年、日本は1994年に批准しました。この「批准する」とは、「国が条約の内容を確かめ条約にくわわる手続きをとること*2」です。
SNUGの活動は、2020年度はじめにユース世代の抑圧に課題感を持ったことからスタートしました。ユース世代が尊重されるための根拠として、当時の私は「子どもの権利条約」を学びとても衝撃を受けました。
子どもの存在を「弱くておとなから守られる存在」という考え方から、ひとりの人間として人権(権利)をもっている「権利の主体」だという考え方に転換させた条約だと知ったからです*3。
ユース世代の年齢は子どもの権利条約が定める18歳未満の「子ども」だけにとどまりませんが、少なくとも高校生くらいの年齢までは4つの原則「差別の禁止」「子どもの最善の利益」「生命、及び発達に関する権利」「子どもの意見の尊重」*4が明記されていること。子ども、ユース世代に対して取り組みをしてきたSNUGは、日本社会にある年功序列的な価値観、経験至上主義的な価値観を課題として捉えています。
このキャンペーンによって子どもの権利やその意義が広がり、大人(特に教育に関わるあらゆる大人)が子どもの権利を尊重できるようになるよう、SNUGも賛同団体として名を連ねています。
たくさんイベントが開催されていますので、ぜひご興味のある方はご覧ください!そしてぜひ賛同表明をして子どもの権利の存在を広めましょう。crc-campaignjapan.org
2023年4月から「子ども基本法」が施行されています。また自治体レベルでいうと札幌市は2009年4月1日から「札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例を施行、2025年4月からは北海道庁もこども基本条例制定(仮)に制定予定です*5。
SNUGが関わってきた「札幌市子ども議会」の背景にも子どもの権利に関する条例や条約があります。
また、先日「こどもまんなか社会実現プラットフォーム(仮)拡大準備会合」に参加してきました。全国各地の関係者のみなさんと対話でき、とてもいい機会でした(対話の中では、「エクイティ」や「コレクティブ・インパクト」という言葉もでたりしました!)。
こども家庭庁はさまざまなセクターを巻き込んだこどものためのプラットフォームを構築予定だそうです。ぜひ準備段階からみなさんも参加し意見を出しましょう!
最近SNUG長谷川友子が取り組んだチャレンジについて
SNUGは研究への道に一歩踏み出しました。…なんのことかと思われたかもしれませんね(笑)。
私はSNUGとしてお仕事をするために、またはお仕事をしながら、対話のこと、ファシリテーションのこと、DEIJ*6などについて学んできました。
学んだことは仕事に反映させていたものの…もっと還元できないかな、何かできないかと思ってきました。そして密かに、在野研究をしながら論文を書くことにチャレンジしてみたいなという思いがありました。
そこで…今回、某申請にチャレンジ。たくさんの方にお世話になりながら、無事某申請書を提出することができました。結果がわかるのはまだまだ先。
結果がどうなるのかについて今は委ねるしかないのですが、これからのSNUGを考えるきっかけとなりました。
予告:長谷川友子、北海道大学にて授業します!
2024年7月20日、北海道大学大学院地球環境科学研究院の山中康裕教授と一緒に授業をする予定です。まだ詳しい情報は公開されていませんが、「(仮)未来の作り方」というキーワードで進行中。
ご関心がある方はウェルカムなオープンな講座になりそうですので、情報がもっと公開されたらここでもお知らせいたします。Coming soon!
ガザのこと、虐殺と暴力が起こっている今に生きる私たち
SNUGは、国連、国際社会に関係するあらゆる人々に対し、パレスチナガザ地区で起きているイスラエル軍の武力行使の即時停止、即時停戦と、ガザにいる人々への人間の尊厳を求めます。今すぐ武力行使をやめてほしいと思っています。
早稲田大教授の岡真理さんは、現在起きていることはジェノサイド(大量虐殺)にほかならならず、植民地主義によるものと言います*7。私たちが生きている今の社会とその歴史を自らがどう解釈するのか、私たちがどう変化するのかが問われています。
私のインスタグラムには、「All Eyes on Rafah」という画像が二種類に投稿されているのを見ました(ラファとは、パレスチナ自治区ガザ地区南部の地名)。ファクトチェックがあまりできてないので今後修正するかもしれませんが、一枚は生成AIがつくった画像、もう一つは本当のラファの画像と言われています。
私があえてここに書いておきたかったことがあります。それは、「暴力をやめてほしいと思っていること」の意思表明は多様であっていいということです。
この無惨で非人間的な状況を目の当たりにしたとき、私は人間性が失われていく感じがします。例えば、何を言うのが適切か迷って口をつぐんでしまうこと、自分が無力な人間に思えることのような。つまり、言いたことが言えなくなります。
だからこそ、私は「一人ひとりがその人らしくいること」と「連帯すること」は両立すると信じたいです。人間性が失われている現状がある今、私たちは私たちの人間性を(も)死守しなければと思います。
インスタグラムでシェアしたい人はすればいいし、違う方法で表明したい人は違う方法でいいと思います。ファッションで表現したり、周囲の人と話してみるとかググるとかラップするとかメールを送るとか。デモをしたり、署名、マーチもパレードやピクニック、スタンディングも座り込みも。歌うのも踊るのも。絵を描くのも。自分の組織から変えるのも、自分の消費行動から変えるのも。これは楽観論ではありません。私たちや社会が硬直してしまわないようにとの思いがあります。これは今(2024年5月31日)の私の考えで、今後変わるかもしれませんが、思っていることを書いて伝えたいと思いました。
結び
今回も文字が多くなってしまいましたが、今回のSNUG Journalはいかがでしたか。このブログを通していろんな方とつながることができることが改めて嬉しいです(あ、ゆうこのおすすめコンテンツコーナーは次回復活予定です)。
なんだか寒暖差がすごいので、みなさんご自愛くださいね。ではまた来週、SNUG Journalでお会いしましょう!
2024年5月31日
対話の場づくり屋 SNUG
代表 長谷川友子
*1:広げよう!子どもの権利条約キャンペーン,「ABOUT US」,
https://crc-campaignjapan.org/about/,(2024-05-31閲覧)
*2:一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター編,『人権ってなんだろう?』,2018,解放出版社,45ページ
https://www.unicef.or.jp/crc/principles/,2024-05-31閲覧
*4:同上のWebサイト
*5:北海道新聞「北海道、こども基本条例制定へ 25年4月にも」2024年5月17日
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1013176/
(2024-05-31閲覧)