SNUG Journal

「SNUG Journal」は毎週金曜日に発行! 対話のプログラム設計や教育、ファシリテーションを行う 「対話の場づくり屋 SNUG」の活動レポートや代表の考えなどを発信します。

「SNUG Journal」は毎週金曜日に発行!
 対話のプログラム設計や教育、ファシリテーションを行う 「話し合いの場づくり屋 SNUG」の活動レポートや代表の考えなどを発信します。

【第5号】サポートする人もまるごと学ぶ環境教育ワークショップ「みらしる」とは?

「SNUG Journal」 へようこそ!

 話し合いの場づくり屋 SNUGにまつわる情報や活動内容、対話に関するトピックを毎週金曜日にお届けします。

 札幌は一気に気温が下がり、今日はついに雪が積もってしまいました。

 さて、今回は第5号。SNUGがかかわってきた環境教育・子どもワークショップ「みらしる」についてお知らせします。

 ユニークな取り組みを最後までお楽しみください!

 

環境教育・子どもワークショップ「みらしる」って?

 「みらしる」は札幌市環境局が主催する環境教育・子どもワークショップで、気候変動の知識をつけ未来を知り、自分たちが迎えたい未来のためにはどのような取り組みをする必要があるのかを知るためのワークショッププログラムです。

紙芝居(?)スタイルでプログラムを展開します。

 対象は、札幌市内の児童会館の小学校低学年。開催場所は市内の児童会館。市内某所の本部からズームをつなぎオンラインで気候変動プログラムを提供します。

 

 SNUGはこのプログラムで、2021年度、2022年度とメインファシリテーター兼講師を務めました。

本部にはスタッフのみ、子どもたちはいません…。
赤いセーターを着ているのがSNUGの長谷川友子です。

 

 ワークショップに付けられた愛称「みらしる」。

 これは「私たちの未来を知るためのワークショップ」の「未来」と「知る」の一部をとって「みらしる」です。

後述するユースグラフィッカーのグラフィック。
ワークショップの様子を記録・可視化しています。

 児童会館同士もオンラインで繋がっているので、

プログラムの中では参加者が市内の同世代の意見を知ることとできます。

 

 このワークショップはコロナ禍まっただ中に始まったことから(この企画は毎年1月に開催してきましたので、去年度が「みらしる2023」となります)オンラインを活用したワークショップになりました。そして、それがゆえ面白いその体制がつくられました。

 

環境教育・子どもワークショップ「みらしる」を支える「ユースファシリテーター」「ユースグラフィッカー」とは?!

 このワークショップを開催するとき、各児童会館にオンラインでプログラムを届けるだけでは十分ではありません。

 なぜかというと、ただ学ぶのではなく話し合いを通して「ともに学ぶ」「ともに未来を知る」プログラムだからです。

 話し合いのサポートを担う人が必要です。

 そこで、このワークショップ「みらしる」は各児童会館へ赴き、子どもたちの学びや話し合いのサポートをする「ユースファシリテーター」と「ユースグラフィッカー」を研修によって生み出しています。


 ワークショップ当日は「ユースファシリテーター」と「ユースグラフィッカー」でタッグを組み、2-3人で担当の児童会館へ向かい現地の子どもたちの学びのサポートします。

 

 このワークショップでは、それぞれの役割を以下のように考えています。

ファシリテーター

プログラムを子どもたちに分かりやすく伝えるとともに、子どもたちの考えを引き出す役割を担う役割。


「グラフィッカー」

参加者の対話の内容を、「グラフィック・レコーディング」という手法を使ってイラストや文字で記録し、参加者で共有する役割を担う役割。

 昨年度は、環境教育に興味があり、これからワークショップ等のスキルを身につけたい「ユース(高校生以上25歳以下)を対象に募集し、12名のユースが育成研修を受講しました。

 研修は2時間を3回ほど行いました。

 ファシリテーションやグラフィックレコーディングを初めて学ぶユースもたくさん参加しています。

こちらはファシリテーターとグラフィッカーが本番を想定し模擬練習しているの様子。

円になって研修がスタート。

 全員がまず話し合い(対話)について学び共通認識を作ったあと、ユースファシリテーターはそのサポートの方法を、ユースグラフィッカーは話し合いの可視化や記録の方法を実践を通して学びます。

 ファシリテーター、グラフィッカーはときに合同、ときに分かれて学びます。

 ここでは研修の様子をお伝えします!

グラフィックの基礎もみんなで学びました。
グラフィックの講師は木村ほのかさん。

お互いにフィードバックするグラフィッカーたち。

ファシリテーターってなんだろう?と話し合っているところ。
講師はSNUGの長谷川友子(写真奥)。

 

 

環境教育のワークショップの中で対話のサポートを学ぶことの意義とは?

 このワークショップの主題である環境問題、気候変動を学ぶことはもちろん重要です。

 しかしSNUGとしては、地球規模でフクザツな課題を解決するためには、ただ知識を得る、話し合い続けるのみならず話し合う技術(対話の技術)も必要になると考えています。

 SNUGには「対話のあり方が未来をつくる」という考えがあります。

 「対話のあり方」とは「聞き方」「話し方」のような「対話(話し合い)でどのようにいるか」という捉え方もできますが、一方で「話し合いの文化や慣習」も「対話のあり方」の一つだと捉えています。

 例えば、話し合いの学びの場にファシリテーターがいる体験をすること、グラフィックレコーディングができるグラフィッカーがいる話し合いを体験することは、参加者やそのまわりにいる人たちにとって話し合いの方法の幅が広がるのではないかな、と考えています。

 さらに、その話し合いの文化や慣習のリーダーシップをユース世代が担うことで、年長者や役職者が仕切るという文化ではない新たな話し合いのあり方の認知が進み、年功序列的な現状の社会がよりよく変化するのではないかと考えています。

 

 もちろんこれはSNUGの考えです。ちょっとお堅くなっちゃったけれど…学びの場はユニークにみんなで過ごすことができたら、といつも思っています。 

でかめの地球儀持参の代表。笑

 

「みらしる」のこれから

 このオンラインで現場をつなぎ、現場でファシリテーターとグラフィッカーが活躍するスタイルはコロナ禍をきっかけに誕生しましたが、今後も継続していくそうですよ。

 ですので、今年度のユースファシリテーター、グラフィッカー募集も始まるのではないでしょうか。…いきなりふんわり!しかしこの辺はまだふんわりしか言えません(笑) 

 情報が公開されたら、またみなさんにお知らせしますので、お近くのユース世代へお届けくださると嬉しいです!

 

結び

 今日は札幌市環境局主催のワークショップ「みらしる」についてお届けしました。

 いかがでしたか?感想やフィードバックは今後の投稿の参考にさせていただきますので、もしよかったら教えてください(誤字脱字も教えてくださいませ)。

 さてSNUGとしては、明日は令和5年度子ども議会第3回委員会です。学生インターンも現場にかけつけてくれるそうで楽しみです。

 テーマが「共生社会」の子ども議会。明日もちょっと踏み込んだチャレンジを予定しています。

 どんな現場になるかな。どんなことが起こるかな。そんなことを考えつつ、またみなさんに近況もまとめてお伝えできたらな、と思っています。

 

 このSNUG Journalを書いているときは、私(代表)はいつもとても静かな気持ちになるんです。文章の力でしょうか。

 いつも読んでくださる方、本当にありがとうございます。

 では、また来週にこのジャーナルでお会いしましょう。あったかくして過ごしてくださいね。

 

雪が積もった札幌の自宅にて
SNUG 代表
長谷川友子