SNUG Journal

「SNUG Journal」は毎週金曜日に発行! 対話のプログラム設計や教育、ファシリテーションを行う 「対話の場づくり屋 SNUG」の活動レポートや代表の考えなどを発信します。

「SNUG Journal」は毎週金曜日に発行!
 対話のプログラム設計や教育、ファシリテーションを行う 「話し合いの場づくり屋 SNUG」の活動レポートや代表の考えなどを発信します。

【第9号】令和5年度札幌市子ども議会のレポートとSNUG的2023年のふりかえり

「SNUG Journal」 へようこそ!

 話し合いの場づくり屋 SNUGにまつわる情報や活動内容、対話に関するトピックを毎週金曜日にお届けします。ライターは主に代表の長谷川友子です。

 さて、今回は2週間ぶりの第9号。2023年ラストのSNUG Journalです。

 今回は前半が「令和5年度札幌市子ども議会」の様子について、後半がSNUG的2023年のふりかえりの2章立て(?)です。ぜひお読みください!

 

「令和5年度札幌市子ども議会」が終了!みなさんお疲れさまでした!

子ども議員たちは秋元克広札幌市長へ提案を発表しました。

 札幌市子ども未来局が主催する「令和5年度札幌市子ども議会」が先日無事終了しました。

 全5回の委員会で子ども議員は「共生社会」について考え、自主的に組んだグループごとに秋元克広札幌市長への提案を行いました。

 SNUGの長谷川友子(私)はファシリテーターを務め、子ども議員が共生社会について話し合い、提案の発表の完成までの過程をサポートしました。

unitsnug.hatenablog.com

 提案作成の過程では、ワークやファシリテーターからの問いかけを通して子ども議員たちは「共生社会とはなんだろう?どんな社会のことだろう?」と考え、自分なりの解釈を言語化しました。

 

 毎回の子ども議員の議論やふりかえりシートには「難しいけどたのしい」「つかれたけど楽しい」という感想や「〜についてもっと知りたい」「自分たちが考えたことをもっと伝えたい」という言葉がたくさん見られました。

 

 市長報告会を終えたあと、子ども議員全員で輪になりふりかえりを行いました。
 「子ども議会を通して自分にどんな変化がありましたか?」というファシリテーターの問いかけに対し、子ども議員一人ひとりが自分の言葉でみんなに自分の考えを話し、そして話している人の声にじっと耳を傾けました。

 

 市長報告会の様子は後日、札幌市公式YouTubeチャンネルからご覧いただけます。アップされたらまたここでもお知らせします。

 

大活躍したユースファシリテーターたちについて

 札幌市子ども議会には議員をサポートする高校生や大学生のユース世代がいます。

 昨年度の「サポーター」という名称は、今年度から「ユースファシリテーター」という名前にリニューアル。研修日程も増え、「聞くこと」と「問いかけること」を中心とした「対話やファシリテーターのあり方」についてしっかりと学んでから現場に挑みます。

ユースファシリテーター研修の最後には、研修を生かし活動していくための「自分たちが現場で必要な言葉」についてユースファシリたちが対話しました。写真はそのときの成果物。

 参加したユースファシリテーターはほとんどがファシリテーターに初チャレンジ。
 しかし回を重ねるごとに、ユースファシリたちは対話や議論の場において「自分のできること」や「自分の影響力」を学んでいきました。

 

 毎回のユースファシリたちのふりかえりミーティングでは、対話のサポートの実践から生まれた問いについてみんなで話し合いました。

 例えば、ふりかえりではユースファシリテーターからこんな問いが挙がりました。

ファシリテーターって対話にどこまで介入したらいいんだろう?
・自分が焦ってしまうと空回りしていまう。どうしたらよいだろう。
ファシリテーションしているとき、アドバイスするのはありだろうか?
・(子ども議員同士が)仲良くなってきて、雑談が始まったらみんなはどうしていますか?

ファシリテーターが誘導していたように見えた。それはいいの?

 …頼もし!!!!
 

 普段はファシリテーターという立場が私のみという現場も多いのですが、今回の子ども議会ではユースファシリテーターと私の「ファシリテーターチーム」として動くことができました。

 私もたくさんの学びと可能性の発見があったなと感じています。

 ユースファシリテーターたちに大いに助けられました。ありがとうございました。

 

 話は変わって…

SNUGでお仕事をして3年目の2023年に思うことなど

 2023年は長谷川友子が「話し合いの場づくり屋 SNUG(「任意団体snug」時代も含みます)」の代表としてお仕事をして3年目の年。

 年をまたぐお仕事もあるので若干「区切り感」は薄いのですが、2023年を終えようとしている今感じていることなどをここに残しておきます。

 

ユースとの関わりの中で

 今年は、SNUGの事業に関わっていたユースから「大学に受かりましたー!」「ゆうこさん、やっとお酒飲めるようになったんですよ!」などとお声がけしてもらう機会が増えました。
 その度にユースたちの貴重な時期に関わってきたのだな、仕事をして一定期間が経ったのだと感じます。
 そして襟を正して(私の仕事着に襟はありませんが)真摯にお仕事したいなと気を引き締めてくれます。

(もしこのブログを読んでくれているユースは、私の考えは全く考慮せずなんでも報告してくださいね笑、これからも近況報告お待ちしています!)

 

不安定な社会の中で

 2023年は、コロナ禍で浮き彫りになった格差や貧困、世界で起きている戦争、紛争、暴力、気候変動による夏の暑さ、女性蔑視、マイノリティ蔑視をより実感する年でした。

 不安定な時代の流れの中、私は露骨に揺らぎ無力感でいっぱいになることも多々ありました。

 一方で、ユース世代や子ども、対話やファシリテーションのお仕事をいただけること、こうして発信できる立場に感謝しています。私には影響力があるのだと実感します。

 だからこそ、いつも自分にこう問いかけています。

「自分が持っている影響力を使うのと使わないの、どっちが怖い?どっちがまし?」

 こう思える立場に感謝して、差別や抑圧のない社会に近づけるための仕事がしたいです。

 

2024年のSNUGは?(予告)

 とはいえ!ありがたいことにたくさんの現場が待っています。
 参加者のみなさん、関係者のみなさん、これからお会いするみなさん。来年もどうぞよろしくお願いいたします!

 

・現在研修進行中!

 グラフィッカー講師の酒井麻里さん(レゾナントサイン)とともに今年の環境教育・子どもワークショップのユースファシリテーター・グラフィッカー研修が始まっています!

unitsnug.hatenablog.com

 

・1月からスタートです!

 ワークショップコーディネーター、ファシリテーターを務める「さっぽろ気候変動タウンミーティング」という名の対話型ワークショップが1月からスタートします!

(全6回、どこからでも参加できます。併せて以下の記事もご覧ください。)

unitsnug.hatenablog.com

 

結び

 今年秋からスタートしたSNUG Journal。こうして締めくくることができ、嬉しい気持ちです。読んでくださる皆さんがいらっしゃるので続けられています。いつもありがとうございます。そして、ご感想や疑問点などいつでもお待ちしております!

 ああそうだ、2023年夏に私はこのSNUGのお仕事で生きてみようと覚悟を決めたのでした。

 さて、この辺で終わりにしようと思います。ぜひみなさん、心身の健康に気をつけながらよい年をお迎えくださいね。そして2024年もよろしくお願いいたします!

 ではまた。 

 

今年は雪が少ない札幌の自宅にて
2023年12月28日(金)
SNUG 代表 長谷川友子